トレーニングの原則と呼ばれるものが7つあります。
特異性の原則…行ったトレーニングに見合った効果がある
過負荷の原則…少しずつ辛いこと きついことをさせていく
反復性の原則…繰り返し行う
漸進性の原則…強度 負荷 頻度を少しづつ高めていく
全面性の原則…身体機能の7つ(筋力 パワー 持久力 柔軟性 調整力 敏捷性 スピード)をすべて向上させる
意識性の原則…何のために行うのか、注意点などを意識させる
個別性の原則…個人の能力に合わせる
本日は、これら7つのうちの特異性の原則について書いていきます。
【特異性の原則について】
特異性とは、向上させたいことに見合ったトレーニングができているかどうかということです。
例えば、サッカーでいうとキック力を向上させたいという目的がある場合に、四頭筋などの脚の筋肉を鍛える筋トレを行うケースがよくあります。
しかし、残念がら脚の筋トレを行ったところでキック力は向上されません。
キック力を向上させるためには、「実際にボールを蹴る」というトレーニングが一番向上され、キックに必要な筋肉もつきます。
また、1対1の局面で素早い対応ができるようになりたいという目的であれば、実際に1対1を反復して行うことが、一番向上がみられるトレーニングということになります。
スタミナにおいても同じことが言えます。
サッカーの試合で90分間走れるようにしたい
野球の投手で9回まで完投できるスタミナをつけたいというときに
走り込みを繰り返すという方法が良く行われます。
スタミナと一言でいっても、心肺持久力 筋持久力 動作の効率性など様々な要素があります。
走り込みは主に心肺持久力の向上を目的としたトレーニングです。
そのため、心肺持久力が原因でスタミナが切れてしまうというのであれば、走り込みは効果的かもしれません。
しかし、その競技における筋持久力や特に動作の効率性という部分は向上されません。
各競技における、すべてのスタミナの要素を向上させるためには、実際に行うというトレーニングが一番最適です。
サッカーで90分間走れるスタミナをつけたいのであれば、練習で100分間の試合を行う、投手が9回まで完投できるスタミナをつけたいのであれば、たくさんの球数を投げ込むというのが一番最適です。
特にサッカーは試合中、全力で走る ゆっくり走る 切り返す ジャンプする プレーが中断し止まるなど様々な要素が存在します。
つまり、たくさんの筋肉が使われるため、これらの筋肉を効率よく向上させるには試合を繰り返すことが最適です。
また、力を抜くところ 入れるところなどの動作の効率性も試合の中で覚えていきます。
以上のことが特異性の原則です。
【筋トレや走り込みの意味】
ただ、筋トレや走り込みに関して意味がないという訳ではありません。
高校生などの成長期の人が、ウエイトトレーニングで基礎筋力を向上させることでスピードやパワーが向上されるケースもあります。
また、心肺持久力は12週に1回適応されると言われていることから、年に4回しか向上がみられないということになります。
そのため、毎日試合をしたり、広いグラウンドで練習ができるわけではないので、走り込みなどで補っていかなくてはいけません。
筋力トレーニングや走り込みは足りない部分の補足・補強という考え方が最適だと思います。
しかし、スポーツで一番重要なのはやはり技術です。
そのため、技術練習を優先して行っていくことが良いと思います。
技術練習の時間が極力減ってしまわないように、ほぼ毎日行う部活などであれば、週に2回1時間だけウエイトトレーニングや走り込みをいれてみるとか、週に2,3回しか練習を行わないスクールなどであれば、ウォーミングアップの中に少しだけ筋トレや走り込みの要素を取り入れる、または宿題として練習がない日に個人でやらせるという工夫をしていけばよいかもしれません。
【最後に】
短い練習時間の中で、やりたい練習やトレーニングがたくさんあるというのが誰もが感じるところだと思います。
そのため、短時間でより効果をだすためには、特異性の原則を念頭に置いてメニューを組むことが最適だと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
パーソナルトレーナー 石田俊介
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